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50代、60代のカッコイイ女性
与えられた環境で、こんなに楽しむことができるんだ。
輝く女性の生き方図鑑 Vol.53
会社経営者&ジャズシンガー


今日は、会社経営者でもあり、ジャズシンガーでもあり、
アートを紹介する様々な企画などもされている...川添光代さんのご紹介。
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光代さんは、その表情や雰囲気に生きざまがにじみでる
とってもカッコイイ60歳。
感性が若々しく、一緒にお話しているとワクワクしてくる。
こういうカッコイイ女性にお会いすると、
年を重ねることが、とっても素敵なことのように思えてくる。


今の印象からは想像ができないが
若い頃の光代さんには、死にたくて仕方がない... そんな時期もあった。 光代さんのお父さんは、人間としても、戦地に赴く兵隊さんとしても、
経営者としても、周りの人から尊敬され、慕われるようなとても立派な人だった。
光代さんも、とても尊敬していた。
でも、そんな立派過ぎるお父さんの存在は、光代さんにとってはとても重く
いつも何か自分には足りないような、完全でないような気がして
自分を認めてあげることがどうしてもできずにいた。
自己を否定し、苦しくて仕方ない、そんな幼少期を過ごした。
そんな光代さんを救ってくれたのは、言葉ではない表現、ダンスや音楽、映画など。
傷つきやすい光代さんの心に
言葉ではないコミュニケーションが、とても心地良く響いた。



その後、2回結婚をし、4人の子供に恵まれる。
2人のご主人とは、離婚。
特に2人目のご主人は、マイナーな芸術家で 収入の無い苦しい生活だった。
とにかくお金のない、苦しい生活だった。
離婚してからは、日本語学校の先生をしながら
4人の子どもを女手一つで育てた。
本当にお金がなく、苦しい生活。
それでも、結婚していた時も、離婚して4人の子供を一人で育てていた時も
光代さんは、自分らしく暮らしを楽しむ。
いろいろなものを手作りしたり、主婦どうしで暮らしを快適にするための情報交換をする会を作ったり、
コンサートや映画祭などの小さなイベントを企画したり、パーティーをしたり...。
自分が素敵だな、楽しいなと思うものはどんどん企画し、実現していった。
それに何よりも、4人の子供たちを出産し
4人の子供たちとの暮らしが、とっても幸せだった。




そんな光代さんが、48歳になった時、突然転機が訪れる。
何年も前に他界したお父さんの後を引き継ぎ
会社を経営していたお母さんまでもが亡くなり
ある日突然会社を継がなくてはならなくなったのだ。
全くのど素人が、ある日突然、日本語学校の教師から町工場の社長に。
その上、残された会社には問題が山積み。
社員は自分より年上の高齢の人ばかり、売上は下り坂で赤字、
地上げにもあい、更にもう長い間新製品も作っていない。
従業員もいれば、取引先もある。
簡単に辞めるなんて言えない状況の中、光代さんは
自分の楽しいことをすべて捨てて、会社の立て直しに専念しようと覚悟を決めた。
1日2時間ほどしか寝ない生活。
とにかく1つ1つの課題に向き合い、解決していくしかない。
お金の問題、人の問題、土地の問題...。
時間をかけて1つ1つクリアしていき、最後に残ったのが新製品の開発。
ちょうどそんな時、あるセミナーに参加し出会ったのが
世界的にも有名なデザイナー喜多俊之さんの言葉。
「デザインとは、かっこいいデザインをつくることではなく、暮らしを提案することだ。」
喜多さんのお話は、どれも素晴らしく、3日間泣き続けるくらい感動した。
その後なんと、喜多さんに顧問までしてもらえることになる。
しかし、それからが苦しかった。
産みの苦しみの中、2年という時間をかけて、
初めて完成させた製品は グッドデザイン賞を受賞。
次に完成させたものは、 JID DESIGN AWARD日本インテリアデザイナー賞
という更に大きな賞を受賞する。
苦しい時間に、情熱を注いだからこそ生まれた新製品だった。
お父さんの守ってきた「愛される物をつくる」という軸の部分はしっかりと守りながら
時間をかけて、光代さんらしい方法で会社を作り上げていった。





この間、自分の楽しみや心にすっぽりと蓋をしてきた光代さん。
長年のストレスで、息が苦しく... そこから抜け出すために始めたのが歌うこと。
たまたまポストにちらしが入っていたヴォーカルの教室で
たまたま出会ったのがジャズだった。
初めはジャズが嫌いだと思ったし、やめることばかり考えていたが
優しく可愛い先生に、やめると言えず...。
続けていくうち、気がつけば大好きなものに変わっていた。
言葉が通じない人同士でも、楽譜が読めなくても、一緒に楽しむことができる。
それは正に、子どもの頃に感じていた
言葉にたよらないコミュニケーション。
蓋をしていた本当の自分を思い出させてくれた。
そしてジャズは、楽譜通りに、完璧に弾くのが良いのではなく
周りを巻き込んで楽しむのが大事... そんなことも教えてくれた。
完璧な人だから素晴らしいのではない、欠点もあっての私。
そんな私もわたし。

55歳から始めたジャズが、自分自身を解放し、いろいろなことを教えてくれている。
新しいことにチャレンジするのも、何かを学ぶのも
いくつになってからでも遅くない。
今では、ジャズシンガーとして定期的にライブでも歌っている。



光代さんは、言葉でない表現、アートによって救われてきた。
感動や喜びを感じることが、幸せへ導いてくれた。
社長業、ジャズシンガーとしての活動と同時に
昨年、様々な アートを紹介することを目的に「classM」を立ち上げた。
個展や写真集の企画、ライブなど光代さんの心が振えたものを紹介している。
自分らしく、楽しく、めいいっぱい生きている。



今でも社長業は好きでないし、むいていないと思っているのだそう。
「みんなが好きなことができるとは思わない。
でも、与えられた環境でこんなに楽しむことができるんだ 
と伝えられたらいいかな。」
そう語ってくれた。



光代さんは、決して恵まれた環境にいたわけではない。
お金はなかったし、女手1つで子育てをし、4人の子どもたちを食べさせてきた。
でも、その表情に疲れた印象は全くなく
むしろ、明るく、キラキラと輝き、今をめいいっぱい楽しんでいる感じ。
だから、カッコイイ。
4人のお子さんとも、とっても仲が良いのだとか。
わたしも、こんなカッコイイお母さんになりたいな。



光代さぁ~~~ん、素敵なお話をありがと~~~!!
今度、必ずライブ行きますから~~~~。


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光代さん、素敵!!って思われたら...

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