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ものをつくる人
人の記憶に刻まれるようなバッグを作りたい。
輝く女性の生き方図鑑 Vol.74
30代 アトリエショップ「アェル クッカ」 代表


今日は、中崎町のアトリエショップ「アェル クッカ」代表
前波りか子さんのご紹介。
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中崎町の懐かしい街並みに溶け込むように
長家の面影を残して佇むアトリエショップ「アェル クッカ」。
店内には、日本製の古い食器や文房具などの雑貨、作家作品などが並び
足を踏み入れると、女性であれば、うずうず、ワクワク。
お洒落で...かわいくて...心躍る店内。
そんなショップ一角のアトリエで、接客をしながら
一点一点手作りでバッグを作っているのが、りか子さん。 子どもの頃から、ものづくりが大好きだったというりか子さん。
服飾系の短大を卒業後、ベビー服の企画の仕事につくが
「より専門的な知識を身につけたい...」
そんな想いから、アパレルの服飾専門学校で更に学ぶことを決意する。
社員という立場から、週3~4日勤務の契約社員という立場に変えてもらい、
働きながら、夜間に学ぶという生活がスタート。
学校は課題がとても多く厳しかったが、楽しく充実した毎日を過ごしていた。
周りも真剣に学びに来ている人ばかりで、その真剣さが刺激的で面白かったのだそう。



専門学校卒業後は、アパレル会社へ就職。
小さい会社ということもあり、企画、デザイン、パターン...と
ものができあがるまでのすべてを経験し、学べるのが魅力的だった。
更に、別の子ども服の会社でも経験を重ねていく。
残業は当たり前。時間の不規則なハードな毎日ではあったものの
充実した時間を過ごしていたりか子さんだが、
ある頃から、服飾の流行の驚くほどのサイクルの速さに、
自分自身の物づくりへの想いとのギャップを感じるようになる。
「もっと大事に物とかかわりたい...。」
日に日にそんな想いは強くなっていった。



そんな想いが、頭いっぱいに占めるようになった頃、
友だちと南船場に遊びに行ったりか子さんは、
たまたまバッグのセレクトショップに出会う。
当時はまだ、バッグのセレクトショップというのは珍しく
自分の想い描いていたようなその雰囲気に「こんな会社があるんだ!」と感激。
バッグの知識もなく、求人があるかどうかもわからぬまま、
「企画をしたい」と書いて、すぐに履歴書を送ってみた。
当時はまだその会社には企画部はなかったのだが
ちょうど会社としても新しい試みにチャレンジし、
オリジナルのものを作ろうとしていた矢先のタイミングだったそうで、
なんと採用してもらえることになった。



バッグの知識は全くなく、バッグ職人さんから怒られることも多々あったが、
仕事をしながら勉強し、覚えていった。
やがては新店舗の企画も任せてもらうようになり
会社での仕事が充実するにつれ、
今度は、自分の好きなカジュアルなバッグをつくり、個展をしたいなぁ...
そんな想いを抱くようになる。

社長にも、「いいんじゃないか」と言ってもらい、
会社の仕事と同時に、そんな企画も行うようになる。
初めのうちは、自分が作るのではなく企画のみを手掛ける個展の開催だったが
自分発信の物づくりの楽しさに、どんどん喜びを感じるようになっていった。
30歳の頃、グループ会社の業務縮小に伴い、
勤務していた会社が事業をたたむことになったのを機に、
りか子さんは、独立することになる。



その頃には、自分で始めたブランドのバッグも少しずつ売れるようになり、
ポケットや長さなど、細かいお客様のニーズに応えるため
「自分自身でもバッグを作れるようになりたい」 と
今までお世話になっていたメーカーの工場にお願いし
半年くらいかけて、バッグ制作の基礎を学んだ。
その後も、独学で勉強を続け
バイトをしながら、作品をつくり、個展を開催。
バッグを作る工程では、大きな音の出るような作業もあり、
夜の駐車場で1人作業...そんな日々。
自宅で作業をするのにも限界を感じるようになり
結局、中崎町にアトリエ兼ショップを借りることになった。
家には寝に帰るだけ...そんな忙しい毎日だったけど
とにかく楽しくて仕方がなかった。



自分でショップをもつようになり、
ものを作る喜びと同時に
お客さんと会話し、気に入って購入しもらう...
そんな喜びも味わうことができるようになった。

お店をもっと楽しんで欲しい...そんな想いから
バッグだけでなく、雑貨や作家作品なども置くようになり、
お店の中には、りか子さんのお目にかなったかわいい雑貨たちが並ぶ。
現在では、ショップでの販売だけでなく
百貨店などでのイベント販売、合同展の開催など活躍の場も広がっている。



「人の記憶に刻まれるようなバッグを作りたい」
そう語ってくれたりか子さん。
数年後に写真やバッグを見て、
「あの頃よくこのバッグを持って出かけたな。」とか、
「あの旅行でこんなことあったよね。」とか...
自然とそんな会話が生まれるような、生活に寄り添ったバッグを作っていきたいのだとか。



安いから...、流行っているから...ではなく
自分の理想とするものを一つひとつ選び大切にする...
そんな人たちに選んでもらえるようなバッグを作っていきたい...

そんな想いで、今も技術の向上のため、りか子さんは学び続けている。



インタビュー中、あいにくの雨降りのお天気にもかかわらず
何人ものお客さんがお店を訪れていた。
お客さんとりか子さんの様子をぼんやりと眺めながら
りか子さんの存在自体が、お店であり、バッグであり...
ブランドそのものだなぁ...と思った。
りか子さんの物へのこだわりが伝わってくる
本当に居心地の良い素敵なアトリエショップ。
是非、秋の休日、お散歩がてら中崎町へ
「アェル クッカ」をのぞいてみてください!
ほんまに、素敵ですから~。

私も、またお邪魔させていただきたいと思ってます!


りか子さぁ~ん、素敵なお話をありがと~~~~。



アェルクッカのホームページはこちら⇒



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店内の様子とりか子さん愛用のミシン。
素敵なアトリエショップの雰囲気が少しでも伝わると良いのですが...




りか子さん、素敵!!って思われたら...

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